HR Information System

忌引休暇・結婚休暇の取得方法および注意事項

2026-05-25 00:00:00

人事労務コラム

台湾では、結婚という人生の喜びや、大切な家族との別れに直面した際の休暇が法律で定められています。本稿では、労働基準法および労働者請暇規則に基づき、忌引休暇および結婚休暇に関する法定ルールと実務上のポイントについて解説します。

 

忌引休暇の規定:親等に応じて付与、賃金は通常支給

忌引休暇の日数は、亡くなった方と労働者との親族関係(親等)によって決まります。休暇期間中の賃金は通常通り支給され、皆勤手当を減額することもできません。

 

法定日数一覧

忌引休暇日数 対象者(故人と労働者の関係)
8日 父母、養父母、継父母、配偶者
6日 祖父母(父方・母方含む)、子女、配偶者の父母、配偶者の養父母または継父母
3日 曾祖父母、兄弟姉妹、配偶者の祖父母

 

重要な通達・実務上のポイント

・平等原則

労働部通達(労動二字第0940031668号)により、「祖父母」には父方・母方双方の祖父母が含まれます。そのため、父方祖父母・母方祖父母ともに同じく6日間の忌引休暇が適用されます。

 

・入社前に親族が亡くなった場合

親族が入社前に亡くなっていた場合、法令上の明確な規定はありません。

そのため、企業側が慣習や実情を踏まえ、個別に判断するケースが一般的です。

 

・パートタイム労働者

パートタイム労働者にも忌引休暇は適用されますが、勤務時間に応じて比例計算されます。

計算式:(平均週労働時間 ÷ 40時間) × 付与日数 × 8時間 = 取得可能時間数

 

未取得分の現金化不可

忌引休暇は心身の回復を目的とする制度であるため、取得しなかった日数を現金へ換算することはできません。

 

結婚休暇の規定:平等な権利と柔軟な取得

労働者が結婚した場合、8日間の結婚休暇を取得でき、その期間中の賃金も通常通り支給されます。
 

取得期限

・基本期限

結婚登記日の10日前から起算し、3か月以内に取得する必要があります。
 

・延長可能

雇用主の同意があれば、1年以内まで延長して取得することが可能です。

 

結婚休暇に関するよくある質問

・婚約時に取得可能か→不可

結婚休暇は正式な「結婚登記」を行った場合のみ対象となります。婚約のみの場合は、有給休暇または事假(私用休暇)で対応する必要があります。
 

再婚の場合も取得可能か→可能

同一企業在籍中であっても、再婚の事実があれば、再度8日間の結婚休暇を申請できます。

 

休暇申請方法と手続き

法律上、申請時点で即座に証明書提出を求める義務はありませんが、雇用主には後日証明書の提出を求める権利があります。
 

一般的な流れは以下の通りです。

1. 事前連絡
口頭または書面(チャット・社内システム等)で理由と日数を伝える。

2. 緊急時対応
突発的な事情がある場合は、代理人による申請も可能。

3. 取得方法の調整
最小取得単位や分割取得について、会社と事前に協議する。

4. 事後書類提出
会社規定に基づき証明書を提出する。

 

忌引休暇の証明例

訃報

死亡証明書

戸籍除票 等

 

結婚休暇の証明例

戸籍謄本(結婚登記記録あり)

招待状

結婚証明書 等

 

注意事項

休日は休暇日数に含まれない

内政部通達(74年台内労字第315045号)によれば、結婚休暇・忌引休暇期間中に土日、祝日等の休日が含まれる場合、それらは休暇日数に算入されません。

 

取得単位と分割取得

・最小取得単位

忌引休暇・結婚休暇ともに、最小単位は労使間で協議可能です。
 

・忌引休暇の分割取得

法令上、「100日以内に取得完了しなければならない」という規定はありませんが、実務上は百日法要等の慣習に合わせるケースが多く見られます。
 

・結婚休暇は連続取得が原則

内政部通達(74年台内労字第321282号)によれば、結婚休暇は原則として連続付与が必要とされています。正当な理由なく取得を妨げる場合、違法となる可能性があります。ただし、労使双方の合意があれば分割取得も可能です。
 

雇用主の違法行為に対する罰則

以下の行為を行った場合、雇用主には2万台湾元以上100万台湾元以下の罰金が科される可能性があります。

結婚休暇・忌引休暇を理由に皆勤手当を減額する

有給休暇や私用休暇への変更を強制する

法定日数または賃金を適切に付与しない

まとめ

家族との別れや結婚は人生における重要な節目です。労使双方が信頼関係を基盤とし、法令に基づいた明確なルールと円滑なコミュニケーション体制を整えることで、従業員の権利保護だけでなく、働きやすい職場環境づくりにもつながります。
 

※なお、本記事は一般労働者向けの制度説明であり、公務員や教職員については一部異なる規定がありますので、一律には適用できません。