台湾労働部は、家庭の事情等で離職した女性の再就職を促進するため、2023年から「婦女再就業計畫(女性再雇用プログラム)」を推進しています。このプログラムでは、女性従業員のために勤務時間を調整する企業に対する奨励金・補助金や、女性の職業能力開発支援のための自主訓練奨励金(一人当たり最大3万元)等、女性の労働力活用を促進しています。
労働部は今年2025年3月の定例業務報告会で、7月末までに新たな計画内容を提示し、補助金額の見直しを行う予定であることを発表しました。2024年にはすでに約4万人の女性の就職を支援しており、2025年から2028年の間にさらに14万人の女性の職場復帰を目指しています。
結婚や出産、家事等の理由で職場から離れる女性は少なくありません。子育てのために離職した後、ブランクを経て再就職を希望しても、子供の送り迎えや病気で急に帰宅せざるを得ない状況となることもあり、前職に復帰したりフルタイムの仕事を見つけたりすることはハードルが高い場合も多いです。
「婦女再就業計畫(女性再雇用プログラム)」では、家庭の事情で180日以上離職している女性に対し、公共職業安定機関がマンツーマンでの就業支援を提供しています。具体的には、就業相談、就職促進セミナー参加機会の提供等、就職準備と職場への適応を支援する様々な措置を講じています。
その他にも、「自主訓練奨励金」は家庭を持つ女性が必要な専門スキルを習得し、家庭を持ちながらも安定して働くことができる職場への転職に有効な措置です。結婚や出産をする前に従事していた仕事や勤務スタイルに復帰するのが難しい場合でも、専門スキル習得の訓練を受け再就職した場合には最大3万元の奨励金を受給できます。
さらに、雇用者が公共職業安定機関に時短勤務可能な求人を登録し、機関から紹介された女性を1か月以上雇用した場合、1つの職につき毎月3,000元を最長12か月間受給できる「時短勤務奨励金」制度もあります。これは雇用者の人件費削減に繋がり、働く女性にとっても安定した勤務時間で家庭と仕事の両立を図ることができ、双方にとってメリットがあります。
労働部の劉組長は、企業が再就職を希望する女性に雇用機会を提供することは、台湾で深刻化している人手不足の緩和に繋がり、女性が仕事で自己実現を果たし、安定したキャリアを築く上で重要であると強調しました。
労働部は、婦女再就業計畫(女性再雇用プログラム)について、今後も継続的に見直しを行い、自主的スキルアップコースの時間調整や再就業奨励金の金額見直し等を検討し、7月末までの新たな計画開始を目指すと発表しています。
売り手市場が続く昨今の労働市場で、家庭の事情により働き方に制限がある労働者に対しても雇用の間口を広げることで、働き手の確保がしやすくなります。関連措置についてさらに詳しい情報を知りたい場合は、労働部労働力開発署の公式サイト(https://gov.tw/CBW)をご確認ください。