2026年7月1日、職業安全衛生法に「パワーハラスメント(職場霸凌)防止専章」が新設・施行されました。2013年の全面改正以来最大の改正で、職場のパワーハラスメントが台湾で初めて法律に明記されました。関連する下位法令も6月に公布され、企業は具体的な対応を求められる段階に入っています。
先日弊社が開催したセミナーのアンケート(約90社)では、企業が課題として感じている項目の第1位が「就業規則・社内規程の見直し」で52%、以下「従業員教育」44%、「管理職教育」40%と続きます。この結果を踏まえ、実務上の要点を3つ整理します。
1. 就業規則の見直し
就業規則(工作規則)にパワーハラスメントの章を設け、定義・申立て窓口・調査手続・行為者への処分・申立者の保護までを明文化します。既存のセクハラ規定を流用しただけでは不十分です。とくに、最高責任者自身が行為者となる場合の地方主管機関への外部申立ルートを備えているか。こちらは今回の改正で必ず点検すべき箇所です。
2. 外部調査員をどこで探すか
セクハラ事案と同様、パワーハラスメント事案でも従業員100人以上の企業には、調査委員会(調査小組)に外部専門家を加えることが法律上義務付けられています(職業安全衛生法第22条の2、職場霸凌防止措置準則第14条)。外部専門家は調査委員会メンバーの2分の1以上、かつ男女比はいずれも3分の1以上を確保する必要があります。人選は、労働部が新設した「パワーハラスメント調査専門人材データベース」(2026年6月から人材登録・研修を開始)や、既存のハラスメント調査人材データベース(労働部、衛生福利部)から選任可能です。弁護士・労務コンサルタントの起用も実務上一般的な選択肢です。いずれの人選も、申立てから15営業日以内に委員会を組成しなければならず、事案発生後の手配では間に合いません。平時のうちに2〜3名の候補と関係を築いておくことをお勧めします。
3. 研修は「予防措置を講じた証拠」になる
規程を整えても、現場が知らなければ機能しません。管理職が「業務上必要かつ合理的な範囲」の線引きを理解しているか。相談を受けた担当者が初動を誤らないか。研修の実施記録は、行政の調査を受けた際に、企業が予防措置を講じていた証拠にもなります。
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