本記事では、台湾の被雇用者が加入すべき制度(労工保険、健康保険、退職金制度)のうち、健康保険について紹介します。
台湾の健康保険制度は「全民健康保険(NHI)」と呼ばれ、1995年に導入されました。被雇用者は国籍を問わず加入義務があり、外国人駐在員や現地採用社員も対象となります。外国人の加入タイミングは、雇用契約が開始され居留証を取得した時点からで、原則として就業開始と同時に健康保険証の交付申請が可能です。「外国専門人材」として居留証を取得した駐在員と、その配偶者・未成年の子女は、居留証発行日から直ちに加入できます。そのため、この場合は健康保険証を取得次第、医療機関を利用することが可能です。また、保険資格を有し、かつ規定条件を満たしていれば、公費補助対象のワクチン接種を受けることもできます。
一方、雇用関係を持たない外国人や台湾人の配偶者がいる外国人は、居留証取得後、6か月間連続して台湾に滞在した後に加入資格が発生します。
保険料は企業・被保険者・台湾政府の三者で分担し、企業が60%、被保険者が30%、政府が10%を負担します。給与額に基づいて算定されるため、所得が高いほど保険料も高くなります。加入後は医療機関の受診時に健康保険証を提示することで、外来・入院・処方薬など幅広い医療サービスを低額で受けられます。
なお、居留証の有効期限が満了した場合は、被保険資格を喪失するため、保険脱退手続きを行う必要があります。 台湾の健康保険は保障範囲が広く、自己負担も比較的軽いため、台湾生活を支える大きな安心材料といえます。
台湾の労工保険の詳細についても知りたい方は、以下の記事をご参照ください。